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Facebook・Instagram広告の始め方:個人アカウント vs ビジネスマネージャ、どちらで出稿すべき?
2025.12.02
武田 共世ここでは、お客様からのご相談内容をブログで解説しています!

Facebook・Instagram広告を始めようと思ったとき、多くの方が最初に直面する疑問が「個人アカウントで始めるべきか、それともビジネスマネージャ(Meta Business Suite)を使うべきか」というものです。
特にInstagramアカウントも含めて管理する場合、Meta Business Suite経由での設定が必須となるケースも多く、選択が重要になります。
本記事では、それぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく解説し、あなたのビジネスに最適な選択をサポートします。
そもそも「ビジネスマネージャ」とは?
Meta Business Suite(旧:ビジネスマネージャ)は、Metaが提供する企業向けの広告・アセット管理プラットフォームです。
以下のアセットを一元管理できる「ビジネスの司令塔」のような存在です:
- 広告アカウント(Facebook・Instagram両方)
- Facebookページ
- Instagramアカウント
- ピクセル(ウェブサイトトラッキング)
- カタログ(商品データ)
- オーディエンス(カスタムオーディエンス)
特にInstagramアカウントをビジネス用途で本格的に運用する場合は、Meta Business Suiteとの連携がほぼ必須となります。
Instagramとビジネスマネージャの関係
なぜInstagramにはビジネスマネージャが重要か
1. Instagram広告の出稿
Instagram広告を配信するには、広告アカウントが必要です。個人アカウントでも可能ですが、ビジネスマネージャを使うと:
- FacebookとInstagram両方への配信を統合管理
- クロスプラットフォームでのオーディエンス活用
- 統一された予算管理
2. Instagramビジネスアカウントの管理
- 複数のInstagramアカウントを一元管理
- チームメンバーへの権限付与
- インサイト(分析データ)の共有
3. Instagramショッピング機能
商品タグやショップ機能を使うには、ビジネスマネージャでの設定が必要です。
4. 高度な分析機能
個人のInstagramアプリでは見られない、詳細なビジネスインサイトにアクセスできます。
個人アカウントで広告出稿するメリット・デメリット
メリット
1. 手軽に始められる
個人のFacebookアカウントから直接広告マネージャにアクセスでき、すぐに広告を作成できます。Instagramへの配信も可能です。
2. 柔軟性が高い
広告アカウントの作成・削除が比較的自由にでき、テストや実験がしやすい環境です。
3. 初期コストゼロ
複雑な設定や組織登録が不要で、思い立ったらすぐにスタートできます。
4. 小規模ビジネスに最適
個人事業主やスタートアップ、短期キャンペーンなど、小規模な運用に向いています。
5. 完全削除が可能
不要になった広告アカウントは完全に削除できます。試しに作って失敗しても、きれいに消せる安心感があります。
デメリット
1. 個人アカウントに依存
あなたの個人Facebookアカウントが停止されると、広告アカウントも影響を受けるリスクがあります。
2. チーム運用が困難
複数人で管理する場合、権限管理が複雑になり、セキュリティ面でも不安があります。
3. Instagramの高度な機能が制限
Instagramショッピングや、複数アカウントの統合管理などが制限されます。
4. スケールしにくい
ビジネスが成長し、複数の広告アカウントやブランドを管理する段階になると限界が見えてきます。
5. ビジネス機能が制限される
高度な分析機能や、企業向けのサポートが受けられない場合があります。
ビジネスマネージャで広告出稿するメリット・デメリット
メリット
1. 組織的な管理体制
複数の広告アカウント、Facebookページ、Instagramアカウント、その他アセットを1つのダッシュボードで一元管理できます。
2. 強力なチーム管理機能
- 役割ベースのアクセス権限設定
- 従業員や代理店パートナーとの安全な協業
- 個人アカウントに依存しない運用
3. Instagram機能のフル活用
- Instagramショッピング機能の設定
- 複数Instagramアカウントの統合管理
- FacebookとInstagramのクロスプラットフォーム分析
- Instagramビジネスアカウントへの複数メンバーアクセス
4. セキュリティと継続性
従業員が退職しても、広告アカウントやInstagramアカウントは企業の資産として残ります。個人アカウントの停止リスクから解放されます。
5. 支払い管理の一元化
複数の広告アカウントを1つの支払い方法で管理でき、経理処理が簡素化されます。請求書発行も容易です。
6. ビジネス認証の取得
青いバッジを取得でき、企業としての信頼性が向上。広告審査も通りやすくなる傾向があります。
7. 高度な分析とレポート
- クロスアカウント分析
- FacebookとInstagram統合レポート
- ビジネス全体のパフォーマンス把握
8. スケーラビリティ
ビジネスの成長に合わせて、無理なく拡張できる設計になっています。
デメリット
1. 削除が困難(これが最大の問題)
一度作成した広告アカウントは、ビジネスポートフォリオから完全に削除することができません。無効化のみ可能です。
なぜこれが問題なのか:
-
アカウント数の上限(通常5個)にカウントされ続ける
- 無効化したアカウントも枠を圧迫
- テストで複数作ると、本番用が作れなくなる可能性
-
管理画面が煩雑になる
- 無効化したアカウントも一覧に残り続ける
- どれが現在使用中か判別しにくい
-
セキュリティリスク
- 使っていないアカウントでもアクセス権が残る
- 退職した従業員の権限削除漏れの可能性
-
請求・経理の混乱
- 無効化したつもりが配信されていた、などのトラブル
- 監査時の説明が煩雑
-
ビジネス認証への影響
- 不要なアカウントが多いと審査でマイナス評価の可能性
-
心理的負担
- 「完全に消せない」ことへの不安感
- やり直しがきかない緊張感
2. 初期設定が複雑
ビジネス情報の登録、権限設定、Instagramアカウントの連携など、最初の設定に時間がかかります。
3. 学習コストがある
管理画面が多機能なため、使いこなすまでに時間が必要です。
4. 柔軟性は劣る
テストや実験的な運用には、個人アカウントの方が向いています。削除できないため、慎重に作る必要があります。
比較表:どちらを選ぶべき?
| 項目 | 個人アカウント | ビジネスマネージャ |
|---|---|---|
| 始めやすさ | ◎ 非常に簡単 | △ 設定に時間 |
| 柔軟性 | ◎ 高い | △ 制約あり |
| 削除の容易さ | ◎ 完全削除可能 | × 削除不可(無効化のみ) |
| やり直し | ◎ 何度でも可能 | × 慎重に作る必要 |
| アカウント管理 | ◎ すっきり | △ 無効化分も残る |
| セキュリティ | △ 個人依存 | ◎ 組織管理 |
| チーム運用 | × 難しい | ◎ 最適 |
| Instagram連携 | △ 基本機能のみ | ◎ フル機能 |
| Instagramショッピング | × 制限あり | ◎ 利用可能 |
| スケール対応 | △ 小規模向け | ◎ 大規模向け |
| 支払い管理 | △ 個別管理 | ◎ 一元化 |
| 権限管理 | × 制限あり | ◎ 細かく設定可 |
| ビジネス認証 | × 不可 | ◎ 可能 |
| コスト | ◎ 無料 | ◎ 無料 |
ケース別:あなたに最適な選択は?
個人アカウントがおすすめの方
✅ Facebook・Instagram広告を初めて試す方
✅ 個人事業主・フリーランス
✅ 短期間のキャンペーンを予定している方
✅ まずは小規模でテストしたい方
✅ 1人で運用する予定の方
✅ いろいろ試して失敗しても大丈夫な環境が欲しい方
✅ Instagramショッピングを使わない方
ビジネスマネージャがおすすめの方
✅ 複数人でチーム運用する予定の方
✅ 中長期的なビジネス展開を考えている方
✅ 複数のブランドやアカウントを管理したい方
✅ 代理店と協業する予定がある方
✅ 企業としての信頼性を重視する方
✅ 将来的にスケールさせたい方
✅ Instagramショッピング機能を使いたい方
✅ FacebookとInstagramを統合的に管理したい方
✅ 複数のInstagramアカウントを運用する方
推奨:段階的アプローチ
多くの場合、**「個人アカウントでテスト → ビジネスマネージャへ移行」**という段階的アプローチが最もリスクが少なく、効果的です。
なぜこのアプローチが良いのか:
- 個人アカウントなら何度でもやり直せる
- 失敗しても完全削除できるので枠を圧迫しない
- 広告運用のノウハウを蓄積してから本番環境を構築できる
ステップ1:個人アカウントでスタート(1〜3ヶ月)
- 広告運用の基礎を学ぶ
- ターゲティングやクリエイティブをテスト
- FacebookとInstagram両方で配信テスト
- ROIを確認する
- 失敗しても完全削除できるので安心
ステップ2:評価と判断
- 継続的に広告を運用する価値があるか評価
- チーム体制の必要性を検討
- Instagramショッピングなどの高度な機能が必要か判断
- 予算規模の見通しを立てる
ステップ3:ビジネスマネージャへ移行(慎重に!)
- ビジネスマネージャを作成
- 必要最小限のアカウント数のみ作成(削除できないため)
- 既存の広告アカウントを移行(またはクリーンスタート)
- Instagramアカウントを連携
- チームメンバーや代理店を招待
- 権限設定を整備
ステップ4:本格運用
- 複数キャンペーンの展開
- Instagramショッピング機能の活用
- FacebookとInstagramのクロスプラットフォーム戦略
- 高度な分析とPDCAサイクル
- ビジネス認証の取得検討
ビジネスマネージャへの移行方法
個人アカウントからビジネスマネージャへの移行は、以下の2つの方法があります:
方法1:既存アカウントを移行
個人で作成した広告アカウントをビジネスマネージャに追加できます。
注意点:
- 一度追加すると削除が困難になる
- 慎重に判断する必要がある
- Instagramアカウントも同様
方法2:新規作成(推奨)
ビジネスマネージャで新しい広告アカウントとInstagramアカウント連携を作成し、新たにキャンペーンを構築します。
メリット:
- クリーンスタートできる
- テスト段階の失敗を引きずらない
- 整理された環境で本番運用開始
よくある質問(FAQ)
Q1: 個人アカウントからビジネスマネージャへの移行時、広告データは引き継げますか?
A: はい、既存の広告アカウントをビジネスマネージャに追加すれば、過去のデータはすべて保持されます。ただし、一度追加すると削除できないので慎重に判断してください。
Q2: ビジネスマネージャの利用に費用はかかりますか?
A: いいえ、ビジネスマネージャ自体の利用は完全無料です。広告出稿費のみが発生します。
Q3: 個人アカウントとビジネスマネージャ、広告の効果に違いはありますか?
A: 広告の配信アルゴリズムやパフォーマンスに違いはありません。差が出るのは管理機能、Instagram連携の深さ、ビジネス認証による信頼性です。
Q4: ビジネスマネージャで作成した広告アカウントは本当に削除できないのですか?
A: はい、完全削除は不可能です。無効化やアクセス権の削除は可能ですが、アカウント自体はビジネスポートフォリオに残り続け、アカウント数の上限(通常5個)にカウントされます。これがテストで複数作成することを避けるべき理由です。
Q5: 無効化と削除の違いは何ですか?
A:
- 削除(個人アカウント): 完全に消える、枠も解放される、一覧から消える
- 無効化(ビジネスマネージャ): 広告は停止するが、アカウントは残る、枠は圧迫し続ける、一覧に表示され続ける
Q6: Instagramだけ運用する場合でもビジネスマネージャは必要ですか?
A: 基本的な広告配信だけなら個人アカウントでも可能です。ただし、Instagramショッピング機能や複数アカウント管理、チーム運用をする場合はビジネスマネージャが必要です。
Q7: 途中でどちらかに切り替えることはできますか?
A: 個人→ビジネスマネージャへの移行は可能ですが、一度移行すると戻せません。そのため、最初は個人アカウントで始めることを強くお勧めします。
Q8: アカウント数の上限5個を超えたらどうなりますか?
A: 追加でアカウントを作成できなくなります。Metaに申請すれば増やせる場合もありますが、承認は保証されません。だからこそ、無駄なアカウントを作らないことが重要です。
まとめ
Facebook・Instagram広告の出稿方法は、あなたのビジネスの規模と成長段階によって選択すべきです。
重要なポイント
-
ビジネスマネージャは「削除不可」という大きな制約がある
- 無効化したアカウントもアカウント数上限にカウント
- 管理画面が煩雑になり、セキュリティリスクも
- テストで気軽に作ると後悔する可能性
-
個人アカウントは「完全削除可能」で柔軟
- 何度でもやり直せる
- 失敗しても枠を圧迫しない
- 学習段階に最適
-
Instagramを本格運用するならビジネスマネージャが有利
- ショッピング機能
- 複数アカウント管理
- クロスプラットフォーム分析
最もおすすめの方法
段階的アプローチ:個人アカウントでテスト → ビジネスマネージャに移行
この方法なら:
- ✅ 失敗のコストが低い
- ✅ 学習しながら進められる
- ✅ ビジネスマネージャの「削除不可」制約を理解してから移行できる
- ✅ 無駄なアカウントを作らずに済む
次のステップ
Facebook・Instagram広告の世界へようこそ!この記事があなたのビジネスの成長に役立てば幸いです。
「削除できない」という制約を理解した上で、慎重に、でも恐れずに始めてみましょう。
まずは個人アカウントで小さく始めて、徐々にスケールしていく。それがFacebook・Instagram広告成功への近道です。
今日から始めてみませんか?
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■ 投稿者
武田 共世
■ 担当
SNSサポート/研修講師/会社全体の業務
2007年に入社し、現在は取締役部長として活躍。傾聴とモチベーションアップを心がけ、MG研修インストラクターやマンダラチャート認定講師としても活動。趣味は旅行と健康談義。
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