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その思い込みが、会社の可能性を狭める!?アンコンシャスバイアスに気づくことから、会社は変わり始める

2026.07.18

先日、静岡で開催された「中小企業家同友会全国協議会 第58回定時総会」に参加してきました。

今回の全国総会は、2026年7月9日・10日の2日間にわたって開催され、全国から集まった経営者が、総会議案の確認や分科会での学びを通して、これからの企業づくりや地域の未来について考える場となりました。

私が参加したのは、第9分科会です。

テーマは、

「見えない差を、経営戦略に変える。
男女の賃金格差の視点から人手不足時代の経営を考える」

というものでした。

人口減少は、採用だけの問題ではない

人口減少と聞くと、多くの経営者がまず思い浮かべるのは「採用が難しくなること」ではないでしょうか。

しかし、人口減少が企業経営に与える影響は、採用難だけではありません。

人口が減れば、市場そのものが縮小していきます。お客様の数が減り、売上の機会も少なくなるという、経営環境そのものの大きな変化でもあります。

そのような時代に、企業が人から選ばれ、地域から必要とされ、持続していくためには、これまでの慣習や思い込みを見直していく必要があります。

今回の分科会では、「男女の賃金格差」を入口に、会社や社会の中に悪意なく生まれている“見えない差”について考える機会でした。

慣習。
思い込み。
無意識の偏り。

こうしたものが、人材や地域、企業の持続性にどのような影響を与えているのか。

そして、見えない差に気づくことを、どのように「人を生かす経営」につなげていくのか。

とても考えさせられる時間となりました。

3人の経営者による、三者三様の実践

今回の報告者は、次の3名の経営者の皆さんでした。

株式会社スパーテル
代表取締役 橋本昌子さん

有限会社ウメイチ
代表取締役 梅田益生さん

信幸プロテック株式会社
専務取締役 村松直子さん

それぞれの会社に、それぞれの歴史や課題があります。

その中で、一人ひとりの社員と向き合い、より良い会社をつくろうと取り組んでこられた3人の報告は、どれも素晴らしいものでした。

女性活躍を目指したのではなく、一人ひとりを大切にしてきた

特に印象に残ったのは、有限会社ウメイチの梅田さんのお話です。

レンタル着物&フォトスタジオを運営する、ウメイチさんは、社員の約95%が女性の会社です。

最初から「女性活躍」を強く意識して、さまざまな制度や仕組みをつくってこられたわけではないそうです。

会社づくりを進める中で、社員一人ひとりの事情や声に耳を傾け、その人が働き続けられる環境を考えてきた。

その積み重ねが、結果として、一人ひとりを大切にする経営や、女性が活躍できる会社につながっていたのです。

そして今回の分科会を通して、梅田さんご自身が、これまで取り組んできたことの意味を改めて捉え直されていました。

その率直なシェアも、とても素敵だと感じました。

自分の中にもある「アンコンシャスバイアス」

今回のテーマについて、最初から深く理解して参加された方ばかりではなかったと思います。

報告後に行われたグループディスカッションは、どのグループも白熱していました。

分科会を通じて初めて、「アンコンシャスバイアス」という言葉を知った方も多かったです。

アンコンシャスバイアスとは、自分では気づいていない無意識の思い込みや偏りのことです。

良かれと思ってしていること。
当たり前だと思っていること。
今までそうしてきたから続けていること。

そこに悪意はありません。

だからこそ、自分ではなかなか気づくことができません。

今回グループ長を担ったのですが、グループの中にも「母親がメインで働いてもいいんじゃないか?と意見が出ていたけど、子供はお父さんより、お母さんの方がすきなのに、かわいそう」という意見が2人から寄せられました。

正直、驚きました。

私自身も、無意識の思い込みが自分の中にたくさんあります。

まずは、自分の中にある思い込みや偏りに気づくこと。そして、気づいたことを安心して話し合える関係性をつくることなのだと思います。

「それは違うと思う」と言える会社に

座長を務められた株式会社吉村の橋本さんのまとめが、また、本当に素晴らしいものでした。

特に印象に残ったのが、次の言葉です。

「男性だから、女性だからではなく、皆一人ひとり名前がついていて、皆違う」

私たちは、つい「男性だから」「女性だから」「若いから」「ベテランだから」と、属性で人を見てしまうことがあります。

けれど、本来は一人ひとりに名前があり、考え方も、得意なことも、置かれている状況も違います。

一人ひとりを、属性ではなく、その人自身として見る。

それが、人を生かす経営の出発点。

そして、橋本さんは、

「私、それは違うと思います」
「ちょっと、もやもやします」

と、社員が言える環境をつくることの大切さについても話されました。

会社の中で違和感を覚えても、それを言葉にできなければ、問題は見えないままです。

経営者や上司に対しても、「私は違うと思う」と言える。

そのような関係性が、これからの会社づくりには欠かせないと感じました。

遠慮はいらない。でも、配慮は必要

グループ討論の中で出た、次の言葉も心に残りました。

「もやもやを言える場で、遠慮はいらない。でも、配慮は必要」

遠慮して何も言えない組織では、変化は起きません。

表面的には問題がないように見えても、社員の中に小さな違和感や不満が積み重なっていきます。

一方で、何でも思ったままに言えばよいということでもありません。

配慮のない言葉は、人を傷つけ、関係性を壊してしまうことがあります。

「弓矢で撃たれた傷は日にちが経てば治るが、言葉で傷ついた心(傷)は一生消えない」

という、ことわざもあります。

遠慮して黙るのではなく、相手への配慮を持って伝える。

そして、伝えてくれた相手の言葉を否定せずに受け止める。

その積み重ねが、社員が安心して意見を出せる組織につながっていくのだと思います。

一人ひとり違うからこそ、理念が必要

橋本さんのまとめの中では、

「理念があるから、チームはバラバラにならない」

というお話もありました。

一人ひとり違う。
考え方も違う。
価値観も違う。
働き方や家庭の事情も違う。

違いを認め、一人ひとりを大切にしようとすればするほど、組織には共通の軸が必要になります。

それが、会社の理念なのだと思います。

全員を同じ考え方にするのではありません。

それぞれの違いを生かしながらも、「私たちは何を大切にしている会社なのか」という共通の軸を持つ。

理念があるからこそ、多様な人が同じ方向を向き、チームとして力を発揮することができます。

↑終了後、W橋本さんと、メタルテック松下さんと4人で記念撮影。

男女の賃金格差は、単なる数字の問題ではない

今回の分科会を通じて、男女の賃金格差というテーマは、単に給与の数字だけを比較する問題ではないと感じました。

なぜ、その差が生まれているのか。

採用、配置、評価、昇進、働き方の中に、無意識の思い込みや、これまでの慣習が残っていないか。

営業は男性、事務は女性。転勤できるのは男性。女性は結婚・出産を機に退職する可能性が高いなど。

数字は、会社の中にある“見えない差”に気づくための入口なのだと思います。

そして、その差に気づき、一人ひとりが力を発揮できる会社をつくることは、人手不足の時代において、働く人から選ばれるための大切な経営戦略です。

誰もが安心して意見を伝えられる。
違いを否定されず、自分らしく力を発揮できる。
会社が大切にしている理念を、全員で共有できる。

そのような会社をつくることが、「人を生かす経営」につながり、企業の持続可能性を高めていくのではないでしょうか。

まずは、自分の中にある無意識の思い込みに気づくことが大切と、私自身も意識すると共に伝えていきたいと思いました。

西 良旺子

■ 投稿者
西 良旺子

■ 担当
経営/集客/チーム作りコンサルティング

リクルートホットペッパー10年在籍中に3年間全国TOP営業をキープし、その後、
2006年にビーラブカンパニーを設立。中小企業向けにソーシャルメディア導入を支援。
SNS広報担当者の育成に尽力。「ヒトの力が組織の力」を理念に、全国各地でSNS活用セミナーだけでなく
MG研修、TOC研修(全国で10人しかいないシニアインストラクター)、
ストレングスファインダー、営業力UP、女性活躍推進などで講師をつとめる。

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